★暗殺(唐門:美人江湖)

 中国映画『暗殺(唐門:美人江湖)』を観る。
 上元歴6年(西暦680年)、「唐門」という女性だけの暗殺者集団があった。彼女たちは、「陰陽眼」という機械が未来に悪事を働くと予知した人間を殺害することをで、天下の平和を守ってきた一団だった。だがあるとき、「陰陽眼」が殺害のターゲットとして指名したのは、唐門のリーダーである唐無煙(ワン・ジアリー)であった。仲間たちから命を狙われることとなった唐無煙は命からがら唐門から逃げ出し、盗みをなりわいとする楚晨(イヴァン・ワン)と小米辣(九孔)の2人と行動を共にすることになるのだが……。

 とにかくきれいなお姉ちゃんがゾロゾロと出てくる武侠アクション映画なのである。原題の「美人江湖」に偽りなしで、本当に美人だらけ。それが派手なアクションを繰り広げてくれるのだから、文句などあるはずもなし。
 アクションは、CG使いまくりではあるのだけれど、女優の皆さんもよく動いてくれるし、かっこよくキメのポーズも決めてくれるしで、なかなか満足度も高い。それに比べてイヴァン・ワンの方は添え物的な存在で、『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』のレスリーの伝統を忠実に引き継いでいて、アクションはまったくなし。それでも、復讐心から暴走する唐無煙を命がけで引きとどめる見せ場もしっかりあったりするのだけれど。
 そして、楚晨のお師匠である小米辣が意外なところで超意外な活躍を見せて、驚かせてくれる。楚留香をネタにしたギャグを披露したりして、見かけも似ていることから、ン・マンタのようなお笑い担当だけの出演かと思っていたのに。でも、楚留香をネタにしたギャグは、日本人で通じる人は少ないだろうなあ。
 あと、この手の作品にしては、意外にも脚本がしっかりしていることにも驚かされた。けっこう、この手の作品て、ただただ派手なアクションがダラダラ続くだけの作品とはなっていたりすることが多いのだけれど。
 きれいなお姉ちゃんのアクションを期待して観ただけの作品だったのだけれど、なかなかの拾いものなのでした。

 それにしても、邦題の『暗殺』って、シンプルすぎないか。

※オリジナルのポスターの方が、きれいなお姉ちゃんがたくさん並んでいるのです。