
嵯峨景子『氷室冴子とその時代』小鳥遊書房を読了。
かつて、氷室冴子の小説を片端から読んでいた。『クララ白書』『アグネス白書』『雑居時代』『少女小説家は死なない!』『なぎさボーイ』『多恵子ガール』などなど。ただし、『なんと素敵にジャパネスク』あたりから徐々に読まなくなっていた。平安時代を舞台にした小説に興味が惹かれなかったからだ。つい最近になって『なんと素敵にジャパネスク』を読んだりもしているが、さすがにこの歳になってこのシリーズはしんどい。
なので、自分にとっての氷室冴子とは、大学生時代に読んだ現代物のコメディ小説作家であった。その後、コメディ小説から離れた青春小説を書いているという認識はあったが、その頃にはもう読んでいなかった。『銀の海 金の大地』は嫁さんが読んでいたので、我が家に揃ってはいるが、読もうとはしていなかった。
今回、本書を読むことで、そのあたりの変遷を含めた氷室冴子の小説の全体像を知ることができた。また、そうした小説を書いた背景なども知ることができた。氷室冴子が真摯に作品に向き合っていたということも知ることができた。本当にあれこれといろいろなことを知ることができた。
それにしても、よく調べてある。大量の資料にあたり、さらに関係者からも話を聞き、それを体系化して、たいそう読みやすくまとめてくれている。力作である。
そして、本書を読んでいる最中に知ったのだけれど、本書刊行の4年後に『増補版 氷室冴子とその時代』が刊行されているではありませんか! ううっ、知らなかったよ。知っていれば、そっちで読んだのに。