【映画】僕たちは天使じゃない

 香港映画『僕たちは天使じゃない(八星報喜) 』を観る。いま調べたら、前に観たのは1992年だ。なんと33年も前のことである。
 ファイ(レイモンド・ウォン)、ロン(チョウ・ユンファ)、サン(ジャッキー・チョン)の3人兄弟。主婦向け料理番組の人気司会者であるファイは、遊び人のロンのせいでいつも迷惑を被っている。そんなロンにはスチュワーデスのハン(ドゥドゥ・チェン)という婚約者がいるのだけれど、浮気の虫は抑えられず、いまはビューティフル(チェリー・チェン)という女性を追いかけている真っ最中。内気な三男のサンはマンガ家を目指しているのだけれど、ある日出会ったイン(ファニー・ユン)にひと目ぼれ。また、ファイは広東オペラのスターであるフォン(ファン・ボーボー)と恋に落ちるのだけれど、ロンのせいで誤解されてなかなか仲は進展しない。そんな3組のドタバタを描いた香港の正月映画だ。
 香港の正月映画は「賀歳片」と呼ばれ、とにかく人気スターを勢揃いさせて他愛もないドタバタを描くというのがお約束だった。内容はどうでもよくて、明るく賑やかで楽しい時間を過ごせればそれでOKという作品がほとんどで、本作もそんな一篇。とはいえ、ロンのキャラクターのひどいこと。まわりに迷惑をかけまくり、ドゥドゥ・チェンという婚約者がいながらひたすら浮気に精を出すというどうしようもないキャラクターなのだ。が、さらにひどいキャラクターに設定されているのがチェリー・チェンで、頭がからっぽで男遊びを楽しむだけというひどいキャラクターなのだ。よくまあ、チェリー・チェンにこんな役をやらせたもんだ。そのあたりがいささか気にかかり、「賀歳片」としてはいまいちな作品ではある。
 監督はジョニー・トー。いまとなっては、こんな映画を撮っていたとは信じられないかもしれないが、この手の娯楽映画も山ほど撮っていたのだ。そして、これまた信じられないことに武術指導をチン・シウトンが担当している。いやいや、彼を必要とするようなアクションシーンなんてないぞ。