【読書】C・J・ボックス『暴風雪』創元推理文庫

 C・J・ボックス『暴風雪』創元推理文庫を読了。
 「猟区管理官ジョー・ピケットシリーズ」の最新刊だ。なんとシリーズ第18作目というではないか。いつの間に、そんなに読んでいたのやら。そしてこの最新作も、またしても面白くて面白くて一気読みしてしまったのだった。
 新しい州知事アレンから、サラトガ地区で行方不明になった英国女性の捜索を命じられたジョー・ピケット。明らかに猟区管理官の仕事ではないのだけれど、州知事から強引にその仕事を押し付けられてしまう。それには、なにか裏の理由が隠されているに違いないのだけれど、事件の舞台となった高級リゾート牧場では娘のシェリダンが働いていたこともあって、ジョーはサラトガへと赴く。そして、例によって予期せぬトラブルに巻き込まれていくのだけれど、そこに盟友ネイトが現れ、ともに行方不明となった女性を探すことになるのだった。
 いやあ、今回もネイトがいい。ある場面でのネイトの行動には相変わらずすぎて笑ってしまうし、ある場面でのネイトの行動にはあまりにも唐突すぎて戦慄してしまった。
 そして今回は娘のシェリダンに素晴らしい見せ場が用意されていて、実に嬉しくなってしまう。あのちっちゃな女の子だったシェリダンが、いまでは23歳の大人の女性になっているんだもんなあ。
 さらにもうひとつ驚愕させられたのが、新しい州知事がジョーにこの仕事を命じた理由だ。うわあっ、あの人が関わってきていたのね。いやはや、恐ろしい。
 注目は、今回もまたジョーが州から貸与されている車を壊してしまうかどうかなのだけれど、それは読んでのお楽しみだ。
 さて、本作でとんでもない苦境に陥ったジョーだけれど、最後の最後で思いもかけない人物が登場してきて、いますぐにでも次巻を読みたくて読みたくて身もだえさせられてしまう。年に1作などと言わずに、どんどん訳していってほしい。待ちきれないよ。