【映画】女囚701号/さそり

 こんどこそ間違いなくシリーズ第1作目の『女囚701号/さそり』を観る。

 公安警察の刑事である恋人の杉見(夏八木勲)から潜入捜査を頼まれた松島ナミ(梶芽衣子)だったが、それは杉見の出世のための道具として利用されたにすぎず、ナミは杉見が裏でつながっていたヤクザたちにレイプされてしまう。そして、自分を裏切った杉見を殺そうとしたことで警察に逮捕され、女子刑務所に送られてしまう。杉見に対する復讐の念に突き動かされたナミは脱走を試みるが未遂に終わり、それから刑務所内での地獄のようなリンチが繰り広げられるのだった。

 なんというか、思っていたのと随分と違った映画だった。凄惨な陵辱、リンチが繰り返されるSM映画のような作品だったのである。ヒロインは縄で縛られ、鞭で打たれ、後ろ手に縛られて鎖で宙に吊られ、白熱灯で股間を焼かれ……SM映画じゃん。そして、それを大きな目を見開いて相手を睨みつけながらひたすら耐えるヒロイン。
 女囚たちのヌードシーンもたっぷりとあり、さらにはレズシーンまでが盛り込まれている。
 こういう映画を観ることになるとは、まるっきり予想していなかったぞ。
 監督の伊藤俊也はこれがデビュー作とのことだが、凝りすぎた映像が違和感ありすぎで、とても効果をあげているとは思えない。Wikipediaによると「先鋭的な演出がどんどんエスカレートしたこともあり第3作で降板」とのことだが、さもありなん。
 そして、ラストシーンの意味がわからん。ナミに脱走された刑務所の所長たちが、極秘裏にナミをつかまえようと追っていたはずだが、その展開が完全に放り出されて、なぜか囚人服を着て刑務所内を颯爽と歩いているナミの姿でエンディングとなってしまうのである。あれはどういうことなんだ? サディスト集団の刑務所の所長たちにまた捕まったってことなんだろうけれど、それにしては堂々と闊歩しているではないか。
 とにかく、なんとも変な映画だった。監督伊藤俊也の「お前はダリオ・アルジェントか?!」と言いたくなる演出がとがりすぎていて、作品のテイストにぜんぜん合っていないのだ。
 しかし、これが予想外の大ヒットとなってしまったので、シリーズ化されることになるのだけれど、これがヒットした理由って、SMチックな演出が観客を引き寄せたってことなんじゃないのかなあ。昨日観たシリーズ第4作の『女囚さそり/701号怨み節』の方が、もっと普通の映画になっていて、自分としてははるかに面白かった。

 ちなみに、昨日はU-NEXTで「じょしゅうさそり」で検索をかけてひっかかってきた『女囚さそり/701号怨み節』をシリーズ第1作と勘違いして観てしまったのだけれど、勘違いした理由が判明した。なんと、シリーズ第1作のタイトルには「女囚さそり」という言葉が入っていないので、検索してもひっかかってこなかったのだ。まさか、タイトルに「女囚さそり」という言葉が入っていないとは思ってもみなかった。いやはや、これは盲点だった。