斎藤工監督、窪田正孝主演のホラー映画『スイート・マイホーム』を観終える。
妻と幼い娘のために、理想の家を設計してもらい、夢のマイホームを建てた賢二(窪田正孝)。だが、そのときから悪夢が始まるのだった。ハウジング会社の不穏な雰囲気を漂わせていた男は家の近くで何者かに殺害され、1年前まで賢二が浮気相手としていた女性は浮気の証拠動画をばらまかれて家庭は崩壊し、死体となって発見される。そして、ずっと実家の押入の中にこもっていた兄が、賢二の家で娘を守って何者かにナイフで刺されて命を落とす。いったい何が起きているのか? 家の中にいると、ずっと誰かに見られている気がするのはなぜなのか?
時として役者はボソボソと喋り、モソモソと動く。ちょっと素人が撮った映像っぽい雰囲気が微妙に漂っていたりする。そうすると、なんともリアルで不穏な空気が映像に満ちてくるのだ。そのリアルさが、そこはかとなく怖い。いや~な雰囲気が伝わってきて、観ていたくないという気分がわき上がってくる。
そして、そのいや~な雰囲気のままにいや~なクライマックスに突入し、いや~なエンディングに行き着く。観たくないよ、こんないやな気分になる映画(涙)
斎藤工、監督としての演出力が半端ないのはよくわかったから、次はその才能を他の方向に向けて発揮してもらいたい。こういう映画、本当に苦手なんだよ。
しかし、ひとつ文句をつけておきたいのだけれど、あの地下室に照明がないというのはどう考えてもおかしいだろ。入ってすぐの壁にスイッチがあって、そのスイッチを押せば部屋の中が明るくなるはずだよね。照明のない地下室なんて、怖いに決まってるじゃん!