【読書】マイクル・コナリー『復活の歩み』講談社文庫

 マイクル・コナリー『復活の歩み』講談社文庫を読了。
 夫を射殺した罪で5年間服役している女性からの無実を訴える手紙に真実の匂いをかぎつけたハリー・ボッシュの判断から、その女性の冤罪を晴らす裁判に乗り出すリンカーン弁護士・ミッキー・ハラー。さまざまな科学的証拠により、女性の無実を証明していくのだが……。
 久しぶりに、ページをめくる手をとめることのできない小説に出会ったという心地よい感触とともに、いっきに最終ページまで辿り着いてしまった。最初のうちは、ハリー・ボッシュのシリーズに比べてミッキー・ハラーのシリーズにはいまいち魅力を感じていなかったのだけれど、本書を読むとこっちのシリーズの方が面白いじゃん!という気にさせられる。最新の科学技術を使った証拠には、こういう落とし穴もあるのか!と、びっくりもさせられる。いやあ、裁判も一筋縄ではいかないのだ。
 本書によって、「裁判で勝つことが正義」だったミッキー・ハラーの生き方も変化を余儀なくされることになろう。シリーズの次巻が楽しみだ。