【映画】龍門剣破

 中国の古装武侠『龍門剣破』を観る。
 時代背景等よくわからない部分があったので、ネットにあったストーリー紹介を引用する。
「明朝中期。土木の変でオイラート族に捕らえられた正統帝を救わんがため、あとを継いだ天順帝は司礼監掌印太監の于化純に救出を命じた。無事にオイラート族の牢から脱出した正統帝は、龍門鎮を通過して京城へ戻る予定である。そのころ西域随一の腕を持つ周不同は、楊善という男から頼まれて、仲間と一緒に大きなつづらを龍門鎮へと運んでいた。日没が迫ったため、一行は龍門鎮にほど近い来香客桟で足を休めることにする。客桟の女将、来香と周不同は友人である。来香客桟には周不同と同じく侠客が多数宿泊している。かれらの視線は楊善の大きなつづらに注がれていた。見計らったように楊善が茶碗を割り、男たちの緊張が一気にはじけ飛んだ。乱闘になる。その乱闘騒ぎで、楊善が死んでしまった。しかしつづらは京城へ送らねばならない。周不同は来香と謎の官吏、曹青らの力を借りて龍門鎮へ入るが…。」
 映画が始まるなり、さほど間を置かずに来香客桟での3つどもえの乱闘が開始される。これがなかなか充実したアクションで、期待は一気に高まる。しかも、この来香客桟でのやりとりが、あの傑作『ドラゴン・イン/新龍門客棧』を彷彿させる雰囲気で、しかも宿の女将である来香(曾晨)が、まさに『ドラゴン・イン/新龍門客棧』におけるマギー・チャンのようなキャラクターなのである。というか、明らかに『ドラゴン・イン/新龍門客棧』のマギー・チャンを再現しようとしているだろ。悪くない。実に悪くない。
 だが、物語はこの来香客桟でのやりとりで終わらず、龍門村での壮絶な闘いへとつながっていく。ここで、あとからあとから襲いかかってくる刺客との闘いが繰り広げられるのだ。
 クライマックスは超絶に強い宦官を相手のバトルとなる。なんとなんと、『ドラゴン・イン/新龍門客棧』のドニー・イェンとのバトルが思い出されてしまうではないか。あのドニー・イェンも宦官という設定だった。まあ、ラストバトルの盛り上がりをチン・シウトンがアクション演出を担当した『ドラゴン・イン/新龍門客棧』と比較してしまっては可哀想なのだけれど。
 いずれにせよ、『ドラゴン・イン/新龍門客棧』のオマージュというかパクリから始まって、四面楚歌の血まみれの脱出行を経て、ラスボス相手のチャンバラに至るという、なかなかに楽しめるアクション映画なのでありました。