【映画】ジェイソン・ボーン

 ジェイソン・ボーンシリーズの第5弾ジェイソン・ボーンを観る。
 第4弾の『ボーン・レガシー』はジェイソン・ボーンの登場しないスピンオフ作品だったが、第5弾『ジェイソン・ボーン』はタイトル通り、ジェイソン・ボーンが再び登場する物語となる。
 で、そのストーリーはというと、ジェイソン・ボーンによってCIAの信用はとことん失墜したというのに、またしても新たなろくでもない作戦をCIAが企て、その作戦が暴露されそうになったので民間人を殺害しようとするが、またしてもジェイソン・ボーンによって失敗するという、いままでのストーリーを繰り返しているだけのものだったりする。完全なパターンに陥っていて、新しいものはまったくないと言ってもいいのでは。
 これまでは、トニー・ギルロイの脚本がよかったのに、そのトニー・ギルロイが降板してしまったのがこんなストーリーになってしまった原因なのだろう。
 しかも、せっかく第4弾で監督が替わったのに、本作ではまたしてもポール・グリーングラスに戻ってしまい、例によってめまぐるしく切り替わる細切れのショットと激しく揺れ動く映像でのアクション演出が復活してしまっている。これ、目が回るだけの効果しかないと思うのだけれど。
 そして、クライマックスのジェイソン・ボーンと暗殺者の派手なカーチェイスは、必要あったのだろうか? そこまであの暗殺者を追う必要はなくて、警察に任せてさっさと姿を消せばいいだけだったんじゃないの。あの暗殺者が逃げ切ったところで、ジェイソン・ボーンにはどうでもいいことだと思うぞ。ストーリー上の必要性はないけれど、とことん派手なカーチェイスシーンを入れたかったというだけの場面になってしまっている。
 それにしても、あのクライマックスシーンを観て思うのは、スワットの装甲車ってあそこまで頑丈にできているのか!ということと、ジェイソン・ボーンは不死身なのか?ってことだったりする。他のキャラだったら何度も死んでいるシーンだよね。
 というわけで、ジェイソン・ボーンを主人公とする作品は第3弾でおしまいにしておけばよかったのにという感想となってしまった第5弾だった。さすがにこのシリーズも本作で打ち止めとなっている。