【映画】ボーン・レガシー

 ジェイソン・ボーンシリーズの第4弾ボーン・レガシーを観る。
 ジェイソン・ボーンの活躍によってCIAの暗殺者養成プログラム「トレッドストーン」「ブラックブライアー」が白日の下にさらされようとしたとき、CIAはその計画の存在を隠滅するために、計画に関係した科学者や育成された暗殺者の抹殺を開始する。だが、超人的な能力を持つ暗殺者として育成されたアーロンと、暗殺者育成の研究に関わっていたマルタ・シェアリング博士のふたりは、CIAによる攻撃をくぐり抜ける。そして、アーロンが生き延びるために必要なワクチンを手に入れるために、2人はフィリピンへとむかうのだった。
 どういう話なのかまったく知らないままに観だしたので、いったいいつになったらマット・デイモン分するジェイソン・ボーンが出てくるのだろうか?と思っていたのだけれど、とうとうジャイソン・ボーンは出てこなかったのだった。『ボーン・スプレマシー』『ボーン・アルティメイタム』と同時進行するサイドストーリー的な位置づけの物語なので、ジェイソン・ボーンジェイソン・ボーンでとっても忙しい時期だったのだ。でも、ジェイソン・ボーンが出てこないにしても、これはこれで面白い。
 後半はマニラが舞台となるのだけれど、ちょこちょこ聞き取れるタガログ語がまぎれこむのが自分的には面白かった。アメリカの観客には何を言っているのかわからないし、日本語字幕だってつかないセリフなので日本の観客にも何を言っているのかわからないセリフなのだけれど、それがところどころの単語ではあっても自分にはわかるというのがなかなか新鮮な体験だった。
 主人公のアーロンを演じているのはジェレミー・レナー、シェアリング博士を演じているのはレイチェル・ワイズ。正直、このあたりの俳優のことはよく知らないのだけれど、それよりも脇役陣が豪華だ。スコット・グレン、ステイシー・キーチエドワード・ノートンデヴィッド・ストラザーンアルバート・フィニーといった聞き覚えのある名前がズラズラと並んでいるではありませんか。
 そして、思いも寄らなかったことに、フィリピンの映画俳優が出ていることにも気がついてしまった。シェアリングが薬を買いに入った薬局の店員を演じているのがルビー・ルイス。フィリピン映画の脇役として、めちゃくちゃたくさんの映画に出ている女優さんで、東京国際映画祭でゲストとして来日したときに、会場の外で彼女をつかまえてあれこれ会話をしたことがあるので、とっても親近感を持っている女優さんなのである。
 そして、エンドクレジットでは「よきサマリア人」という役名になっているのが、『牢獄処刑人』などのジョエル・トーレなのである。おおっ、けっこうな大物俳優が出ているではありませんか。
 あと、どこに出ているのかまったく気がつかなかったのだけれど、『バードショット』などのジョン・アルシリアもジョセフという役名で出ていたらしい。これまたなかなかの大物俳優だぞ。
 監督はポール・グリーングラスから、これまでこのシリーズの脚本を担当してきたトニー・ギルロイに交代している。おかげで、画面がめったやたらと揺れ動くアクションシーンがなくなっている。そうだよ、アクションシーンてのはこれでいいんだよ。