『ビバリーヒルズ・コップ:アクセル・フォーリー』を観る。言うまでもなく、エディ・マーフィ主演の大ヒットシリーズの30年ぶりの第4弾である(1作目からは40年)。正直、なんでいまさら「ビバリーヒルズ・コップ」なんだよという思いもあり、それほど期待せずに観だしたのだけれど、しょっぱなの「ヒート・イズ・オン」が流れ出したところで一瞬にしてハートを持って行かれてしまう。こればっかりは理屈じゃないよなあ。音楽の力は偉大だ。
そして、それに続く物語は、まさにかつての『ビバリーヒルズ・コップ』そのもの。30年ぶりなんだから、以前の作品にはなかったすごいことをやるぞ!という無意味な発想はなく、かつて楽しかったあのシリーズを新作として再現するぞという基本コンセプトが実にいい。
そりゃ、エディ・マーフィだって歳をとって、かつての作品にあったような流れるような身のこなしはない。大人になった娘がいて、その関係に四苦八苦していたりもする。だけど、根っこのところはぜんぜん変わらないアクセル・フォーリーでいてくれている。相変わらず口先はたっしゃで、いい加減なキャラに見えながらも刑事という職業に忠実で、それでいて相変わらず型破りで、そして友情に篤いあの頃のアクセル・フォーリーのままなのだ。
タガートは署長に出世していて、ローズウッドは私立探偵になっているけれど、相変わらずのタガートであり、相変わらずのローズウッドだったりする。このあたり、脚本家はちゃんとわかってくれているなあって感じ。これだけ楽しませてくれれば充分満足。いやあ、楽しかった。