真崎守『花と修羅Ⅰ/Ⅱ』ブロンズ社真崎守選集を読む。前に読んだのは、おそらく本書が刊行された時なので昭和52年のことだろう。真崎守選集の第1回配本と第2回配本。真崎守選集がスタートするということで、興奮して買ってきて読んだはずだ。
それから47年の歳月がたって、また読んでいて、おそらくその読後感は変わらないだろう。かっこいい! そのひとことに尽きる。19才だった自分は「あれこれとよく分からない。よく分からないけれど、とにかくかっこいい!」、そう思ったはずだ。そして66才になって再読していままた「よく分からないけれど、かっこいい!」と思っている。なぜ、ここにこの絵が唐突に出てこなければいけないのか、よくわからない。そんな場面がいたるところにある。だけど「考えるな。感じるんだ」というブルース・リーの教えそのままに受け入れることで、真崎守のこの作品にふさわしい読み方なのだろうと思う。
最近の青年マンガの世界をよく知らないのだけれど、本作に匹敵するような作品は描かれているのだろうか。当時としても、真崎守はただひとり真崎守であり続けたので、おそらくこういうタイプの作品を描く作家はいないのではないだろうか。すでに忘れ去られた作家なのかもしれないけれど、自分だけは繰り返し読みついでいきたい。