『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー 千年魔界大戦』を観る。
「聊斎志異」の作者である蒲松齢を主人公にすえ、千年前に「生・病・老・死」の4つの門に封じ込めた黒山(ヘイシャン)の復活を防ごうとする物語。
奇怪な物語を好み、それを小説に書き続けていた蒲松齢は、霊力を秘めた筆によって黒山を封じ込めた4つの門のうちの3つを開けてしまう。それぞれの門は、小唯、嬰寧、小謝、小倩の女妖霊が自分を犠牲にして封じていた。蒲松齢は妻の肉体を借りた天女の助けを得て、再び門を閉じるように女妖霊を説得してまわるのだが……。
『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』でレスリー・チャンが演じていたツァイサンもなかなかに情けないキャラクターだったけれど、本作の蒲松齢もそれに負けず劣らず情けない男である。だが、黒山に捕らわれた妻を取り戻すため、必死に頑張り、愛の力で女妖霊を説得するという展開なのだけれど、それがひとつひとつの門で繰り返されるので、すっかり飽きてしまった。しかもこの蒲松齢、ずっと妻のことをないがしろにしてきて、まったく見向きもしていなかったのである。それを今さら愛しているとか、説得力に欠けることはなはだしい。
アクションシーンもCGに頼りきったもので、さほど見ごたえもなく、盛り上がらない。
取り柄は女優がことごとく美人だということだけれど、きれいなだけであまり個性が感じられない。『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』でジョイ・ウォンに出会ったときの衝撃のかけらもない。まあ、ジョイ・ウォンと比べるのが酷というものだろうけれど。