アマゾンプライムビデオにて『ゴジラ-1.0/C』を観る。言わずと知れた『ゴジラ-1.0』のモノクロバージョンである。
そもそもが、昭和29年の『ゴジラ』第1作を繰り返し観てモノクロで馴染んできた世代なので、モノクロであることに違和感はまったくない。というよりも、モノクロの方がしっくりくる。もっとも、『ゴジラ-1.0/C』は、初期の『ゴジラ』に比べて、モノクロといえど画質がめちゃくちゃいいのだけれど。
しかし、あらためて観てみると、人間ドラマが薄っぺらいということが気になってしまった。映画館で観た時には、ゴジラ映画が本来持っていた恐ろしさが再現されていた喜びに、人間ドラマのことなんてさほど気にならなかった。だが、二度目、しかもテレビの画面サイズで観たのでは、この映画が持つ欠点が目について仕方がなかった。
だが、それでも、『ゴジラ-1.0』は「こういうゴジラが観たかったんだ」という自分の要望をかなり満たしてくれている。銀座を破壊し尽くす映像には鳥肌すらたつ。スーパーXのようなあり得ない超兵器でゴジラに闘いを挑むのではなく、実在する技術の範囲内、もしくは実在するかもしれないと説得力を持つレベルの技術で闘いを挑むという設定も嬉しい。終戦直後という時代設定も実にうまい。現代兵器で総攻撃を受けてなんともない生物というのはリアルでなくなってしまうので、この時代設定が非常に効果をあげている。子ども向けではなく、真剣に大人向けのリアルな怪獣映画を作っているという態度がとてもとても自分の好みにあっていた。つまりは、怪獣映画には「リアル」であって欲しいのだ。