【映画】セーヌ川の水面の下に

 Netflixでフランス映画セーヌ川の水面の下に』を観る。
 世の中、どれだけサメ映画が好きなんだと呆れるぐらいにサメの登場するパニック映画が作られているのだけれど、今度はオリンピックを控えたセーヌ川に淡水に適応した巨大なサメが現れる。
 研究のために追跡ビーコンをつけられた巨大なサメによって、研究者たちが襲われる海洋シーンから始まる。だけど、この研究者たち、血液かなにかを採取するためのモリを突き刺して、どうして襲われないと思っていたんだか。そんなことをすればサメだって怒って攻撃してくるにきまってるじゃん。
 それから数年たって、そのサメがセーヌ川に現れる。惨劇の生き残りの海洋学者ソフィアは、パリ警察と協力してそのサメによる被害をくい止めようとするのだが、愚かな環境活動家の愚かすぎる行動によって大量の被害が発生してしまう。
 だが、そのセーヌ川では、きたるパリオリンピックを盛り上げるためのイベントとして、トライアスロン大会が開催されることになっていた。ソフィアたちはその中止を進言するのだが、イベントの成功しか頭にない愚かなパリ市長はその進言を退け、トライアスロン大会を強行するのだった!
 というわけで、愚かな人間の連鎖で被害が拡大していくという最悪の展開で、この手の映画はたいていうんざりさせられるだけなのだけれど、予想をはるかに上回る展開にけっこう楽しんでしまった。ネタバレになるのではっきりは書けないのだけれど、サメの設定が実に予想外なものであった。それがゆえに、たった一匹の巨大サメだけの問題ではなくなってしまうのだ。そして、セーヌ川の川底にたくさん沈んでいるあるもののために、とんでもない規模の被害が発生してしまうのだ。おおっ、まさかサメ映画でこのスケールの被害が発生するとは思わなかったぞ。
 それにしても、あの傲慢なパリの女性市長、思わず「小池百合子かよ!」とか思ってしまった。自分の成功のためなら、いかなる被害が出ようともかまわないというキャラなのである。
 そして、エンドクレジットが始まったら、しばらくはそのエンドクレジットにつきあうことをお勧めしたい。少なくとも、画面に「TOKYO」の文字が出るまでは観ることをお勧めしたい。