マ・ドンソク主演の韓国映画『守護教師』を観る。
地方都市の女子校の体育教師として赴任してきた元ボクシングチャンピオンのギチョル(マ・ドンソク)。そこで出会ったのは行方不明となった友人を必死に探している生徒のユジン(キム・セロン)だった。最初のうちは家出ぐらいに思っていたギチョルだったが、捜索届け出を出したはずの警察がまったく探そうとしていないことに気がつく。また、何者かがユジンを誘拐しようとする事件も発生する。なにかがおかしい。この街では、誰ひとりとして行方不明の少女を探そうとしないどころか、何かを隠そうとしている。
いやあ、面白かった。マ・ドンソクは、どの映画を観てもいっつもマ・ドンソク以外の何者でもないのだけれど、それで充分。ずっと苦虫をかみつぶしたような表情で、悪を追い詰めていくのだ。
そして、権力を持つ者たちの腐りきった憎たらしさよ。選挙では大金が飛びかい、不都合な事実を隠すためには警察をも配下に置く韓国の権力者の世界。実際に、こういう側面があるからこそ、映画でも描かれるのだろう。ま、政権が司法も警察組織もすべて支配下に置く日本も似たようなものではあるのだけれど。
そうした腐りきった世の中を、こぶしひとつで叩きのめすマ・ドンソクの存在が実に小気味いい。日本の映画界にもマ・ドンソクがいてほしいものだ。