モリー・リングウォルド主演の青春恋愛映画『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』を観る。なんとまあ1986年の作品だ。もう38年も前の映画だなんて、信じられない。
金持ちの家の子が多く通うハイスクール。無職の父親と二人暮しのアンディ(モリー・リングウォルド)は、そうした連中とは距離をおいて、奨学金を得るための勉学に励んでいた。そんなアンディがいつも一緒なのは、幼なじみのダッキー(ジョン・クライヤー)だった。ダッキーはずっとアンディのことが大好きで、そのことを隠そうともしていないのだけれど、アンディは彼のことをとても大切な友だちだと思っている。
そんなある日、大手電機メーカーの御曹司であるブレーン(アンドリュー・マッカーシー)がアンディのことをデートに誘う。金持ち連中がこぞってアンディを見下す中、彼だけは違っていた。ブレーンからプロムに誘われて、有頂天になるアンディだったが……。
ジョン・ヒューズが脚本を書き、製作総指揮を勤めた作品だが、本作では監督をハワード・ドゥイッチに任せている。ジョン・ヒューズが自分で監督した作品に比べると、ハメをはずさずに、きっちりストーリーを追っているという感じがする。ジョン・ヒューズ監督作だと、もっとストーリー展開に関係ないエピソードがガチャガチャ入ってきている気がする。その分、ちょっとおとなしめな作品に仕上がっている。とはいえ、同じくジョン・ヒューズと組んだ次回作『恋しくて』で、この上もなく切ない青春映画を撮っているので、この路線で正解なのだろう。
主演のモリー・リングウォルドは、『すてきな片想い』ほどの魅力が感じられないのは残念。『すてきな片想い』の時の彼女は、本当に素敵だったのだけれど。
そして、『すてきな片想い』におけるアンソニー・マイケル・ホールの立ち位置のキャラを演じたジョン・クライヤーが実によかった。ずっとアンディにつきまとい続けるのだけれど、最後にはがっつり泣ける切ない行動をとってくれる。こういう男こそ幸せになってほしいと思ってしまう。
このところ、ジョン・ヒューズ作品を少しずつ見直していたりするのだけれど、こうなると次に観るのは『ブレックファスト・クラブ』か『恋しくて』か、あるいは『フェリスはある朝突然に』といったところになるのかな。