バリー・ウォン監督の香港映画『トレジャー・オブ・ドラゴン(財神客棧)』を観る。
キャストはニコラス・ツェー、ニック・チョン、シャーリー・チョイ、ホァン・イーなどなど。武術指導はユン・ケイ(元奎)。
ある富豪の一家惨殺事件が起き、白玉観音像が盗まれる。その白玉観音像は、いまは盗賊に身を落としている赤龍将軍家の家宝であったが、祖父の代に盗まれたものだった。
役人の末端に所属している劉健明(ノコラス・ツェー)と陳永仁(ニック・チョン)は、捜査にやってきた鉄無情(ホー・カーキン)に協力するのだが、無実の罪を着せられて投獄されてしまう。それを助けたのが、財宝を狙う盗賊姉妹の火龍女(ホァン・イー)と水龍女(シャーリーン・チョイ)であった。4人は、盗まれた財宝がオークションにかけられるという砂漠の中の「財神旅館」へと向かうのだが、そこで待ち構えていたのは、赤龍将軍から依頼されて白玉観音像を盗み出した金不二、殺人事件の犯人を追ってきた鉄無情、美貌の宿の女将(劉洋)、宿の女将に惚れ込んでいる謎の医者の聞問切(トン・ダーウェイ)など、ひとくせもふたくせもある人物たちであった……。
というわけで、後半は白玉観音像をめぐって、役人、盗賊、宿の女将などが入り乱れる『ドラゴン・イン/新龍門客棧』のような展開となるのだけれど、なにせ監督はバリー・ウォンである。そんなしっかりした内容になるわけがない。とにかくぬるい展開となり、くだらないギャグが押し寄せてくる。そのくせ、元奎が担当したアクションシーンだけは充実しているというバランスの悪さ。しかし、これこそがバリー・ウォンなので、仕方があるまい。
いちおう、ニコラス・ツェーが二枚目、ニック・チョンが三枚目という役割分担であるのだけれど、実はいちばん強いのがトン・ダーウェイ演じる聞問切だったりするのだけれど、これがまたゆるいキャラクターでなんともしまらない。
しかし、女優はみな美人だ。ホァン・イー、シャーリーン・チョイの健康的な美人姉妹のアホ演技も楽しいが、なによりも劉洋の妖艶さが非常によろしい。これまた、さすがはバリー・ウォンといったところか。
2011年の作品とのことなので、もう13年も前の作品だった模様。