★Mr.Boo!ミスター・ブー

 ホイ三兄弟主演の『Mr.Boo!ミスター・ブー(半斤八両)』を観る。
 マイケル・ホイの探偵事務所に、失業したサミュエル・ホイが雇ってくれとやってきて、助手のリッキー・ホイと3人で繰り広げるドタバタを描いたもの。ストーリーはあってなきがごとし。浮気調査やらスーパーの万引きの取り締まりやらに乗り出しては、しょうもないギャグが繰り広げられる。
 なんでこれが日本でヒットしたかなあ? 部分部分では笑えるギャグがあるにしても、それだけにすぎないしなあ。香港における本作の位置づけについて、前にどこかで読んだ覚えがあって「なるほど、それで香港でヒットしたのか」って納得した記憶はあるのだけれど、それがどういう内容だったのかはきれいさっぱり忘れてしまった。いずれにしても、日本でのヒットにつながる内容ではなかったと思う。
 最初のうちは日本語吹き替え版で観ていたのだけれど、どうもしっくりこなくて途中から広東語版に切り替えた。日本語吹き替え版を担当しているのは、広川太一郎ビートたけしで、オリジナルにないギャグをあれこれ入れていて、サミュエル・ホイが「コマネチ」とか言っている。ウィキペディアによると「広川太一郎は、「元がつまらないギャグ映画だったので『モンティ・パイソン』みたいに本編と関係なく徹底的にふざけた声にしようと思った」と回想している」とのこと。広川太一郎も「つまらないギャグ映画」だと思ったんだ。
 ただし、香港映画ファンとしては、さきごろ亡くなったリチャード・ンが若々しい姿を見せてくれていることとか、『燃えよドラゴン』のシー・キエンが強盗団のボス役で出ていたりするのが嬉しい。エキストラの中に、一瞬マーズの姿が見えた気もするのだけれど、こちらはちゃんと確認しなかった。
 そして、サミュエル・ホイの歌う主題歌「半斤八両」も軽快で楽しい。