★狂徒

 台湾のアクションクライム映画『狂徒』を観る。

 暴力事件でバスケットボール界を追放された元バスケットボールの花形選手だったレイ(林哲熹/リン・ジャーシー)。怪我をさせた相手の治療費を払うために、いまでは自動車窃盗団の下働きのようなことをしている。
 それがある時、雨の日だけに現金輸送車を襲う強盗犯のレインマン(吳慷仁/ウー・カンレン)に遭遇し、脅迫されてその行動に巻き込まれていく。まったくその気はないのに、いつの間にかレインマンのペースに乗せられて、裏社会の組織を敵にまわし、さらにはレインマンの正体と見なされて警察から追われる身となってしまう。四方八方敵だらけという窮地に追い込まれたレイが選んだ道は……。


 まったくなんの情報もなく、レンタルビデオショップの店頭で「なんとなく面白そう」という直感だけで借りてきた作品だったのだけれど、この直感が大当たり。めちゃくちゃ面白かった。
 ウー・カンレン演じるレインマンのキャラがいい。すっとぼけて、ずるくて、余裕たっぷりで。それに対するリン・ジャーシー演じるレイはというと、真面目で、不器用で、とことん不運で、レインマンと真逆のキャラなのだ。そのふたりのバディものと思わせておいて実は……という展開もなかなかおいしい。最後の最後でニヤリとさせてくれる脚本もみごと。
 また、ジャック・カオがいまいちさえない刑事役で出ているというのも、ちょっと新鮮だ。
 監督は本作が長編第1作となる洪子烜(ホン・ズーシュアン)。台湾金馬奨で撮影賞とアクション賞を受賞しているとのこと。