★神探大戦

 東京国際映画祭にて香港映画『神探大戦』を観る。


 『MAD探偵~7人の容疑者~』の続篇というので、事前に再視聴しておきたかったのだけれど、アマプラでもネトフリでも配信はなし。しかも、近所のゲオにも在庫はなし。どんな内容だったか、まるっきり覚えていないのに観ることができなかった。
 でも、予習なしでもたっぷり楽しめたのだから問題なし。というか、前作をまったく覚えていないのではっきりとは分からないのだけれど、どうやら続篇というわけではないらしい。
 かつて「神探」と呼ばれた刑事のラウ・チンワン。その場にいない被害者と会話をするという特殊能力(なのか、あるいは精神疾患による幻覚)によって数々の殺人事件の真相に迫るが、型破りすぎる行動によって警察を追い出されていた。
 だが、彼が過去に手がけたいくつもの殺人事件の容疑者が次々と殺されるという連続殺人事件が発生し、その事件解明に乗り出していく。
 一方、彼がもと所属していた警察でも事件を追っていて、ラウ・チンワンは有力な容疑者とされてしまうのだが……。

 前作の監督はジョニー・トウだったが、今回の監督はワイ・カーファイ。じゃっかんストーリーが破綻しているきらいはあるのだけれど、ド派手なアクションの連続で、まったく飽きさせない。これぞ香港映画!と快哉を叫びたくなるような派手でスケールのでかいアクションシーンがガンガン展開されるのだ。
 ラウ・チンワンのめちゃくちゃな捜査に巻き込まれてともに行動することになる臨月の女性刑事を演じているのが、女子デュオ「ツインズ」のシャーリーン・チョイ。いやいや、臨月の女性がこんな危険な現場に出てきちゃダメでしょう。
 そして、捜査を担当する警察チームのリーダーを演じているめちゃくちゃかっこいい女性が、『妖獣都市 ~香港魔界篇~』『青春火花』『ファイヤーライン/十萬火急』などのカルメン・リー。おおっ、めちゃくちゃ久しぶりだぞ。いつの間にか、すっごいいい女になっているではありませんか。
 ちなみに、ワイ・カーファイ、ラウ・チンワンカルメン・リーの3人が顔を揃えるのは、1997年の『一個字頭的誕生』以来というのは、ちょっとしたトリビアであります。

 これは、映画祭上映だけで終わらせるのはもったいないなあ。短期間でもいいから、劇場一般公開してほしいぞ。