★サント VS ゾンビ

 アマゾンプライムビデオで1962年のメキシコ映画『サント VS ゾンビ』を観る。

 なんでこんな映画を観てしまったかというと、アマゾンプライムビデオで「なにかしら面白そうな映画はないかな」と探している最中に見つけてしまったから。見つけたからには観ないわけにはいかない。なにせ、この覆面プロレスラーを主人公にしたサントシリーズについては、川村氏の「未発売映画劇場」でさんざん刷り込まれていて、いつか観てみたいと思っていたのです。

 で、ようやく観たこの『サント VS ゾンビ』、日本語字幕がついていても最後まで観るのがしんどかった作品でした。だって、脚本、めちゃくちゃ適当なんだもん。
 悪の科学者によって作り出されたゾンビ軍団が宝石店を襲い、警察からその捜査の手助けを依頼されるサント。一方、ゾンビを研究していた科学者が行方不明となり、その娘の依頼で捜査に乗り出す警察だが、そちらでも頼りにされるサント。警察は、ちょっとでも手に負えない事件となると、なんでもサントにお願いするのだ。単なる覆面プロレスラーなんだけどね。
 そして、ゾンビ軍団がヒロインに襲いかかると、なぜかその場に颯爽と現れてゾンビ軍団と戦うサント。どうして、その場に現れたのかという説明はどこにもないぞ。全編そんな感じなので、真面目にストーリーを理解しようなどと思ってはいけない。川村氏が「サントと怪しげな雰囲気を楽しむだけの映画」と書いているのだけれど、まさにそういう映画なのだ。
 この映画の最大の見せ場は、ストーリーとはまったく関係のないプロレスシーン。ゾンビと戦っている場面より、こっちの方がよほど盛り上がる。本当にストーリーとはまったく関係ないんだけどね。
 そして、なんだかんだあって事件を解決すると、マントを羽織って颯爽と去って行くサント。残された警察のセリフがいい。
「サントはいつもこうだ。お礼を言う前に去ってしまう。」
 うーん、なにやらかっこよさげなセリフではあるけれど……。

 しかし川村氏、日本語字幕のないDVDでこの映画を観ているんだよね。しかも、38本も!
 ちなみにアマゾンプライムビデオには『サント VS 吸血鬼女』という作品もあるのだけれど、1本観れば充分かな。

 サントシリーズが気になる方は、以下の川村氏のサイトにアクセスしよう!
https://note.com/hitkawa